
MTBのレースを求めて、僕とTREKチームの竹之内選手はオーストラリアで開催されるWORLD CUPに参戦予定をたてた。
開催地のキャンベラは野口さんとよく行っていた場所。今回はオーストラリアの知り合いの家にステイさせてもらった。
コースは硬く乾いた路面にゴロっと飛び出している岩、岩、岩。この岩が上りにも下りにも存在する。岩を上り岩を下る、その他にもキャニオンとバームがあり、かなりテクニカル。でも面白いコースになっていた。
さっそく試走に。これを越えるの?って思うぐらい初めは戸惑ったが、周回を重ねるうちになんとかこなせるようになった。
レース当日はいつもと違い、緊張も高ぶる感覚もなく静かにスタートの時間が近づいてきた。たいがい格上のライダーと走るレース前は緊張はしないが、なにか変な感覚だった。落ち着きすぎていた。
でも召集が始まり、憧れのライダーが目の前にいて、同じレースを走ろうとしている。こんな近くでまじまじと見たのも初めてだったし、どんどんワクワクしてきた。
スタートは4列目、大きく息を吐いて合図とともに飛び出した。
冷静に自分の駒を進める。初めは広めのジープ路。若干けん制も入っていたが、トップ10の中で走る。興奮が込み上げるが、シングルトラックに入る前のペースアップに備え冷静さを保ち、何とも言えない感覚を味わう。
シングルに入り、トップ15ぐらいだろうか?まだ視界にはトップライダーが見えている。だが、自ずと差は開き始め、シングルとシングルの繋ぎ区間で大きく離された。
その後も後ろから追い抜かれて行く。世界チャンピオンのサウザ選手に付いていこうと試みたり、いろいろな有名選手の後ろで悪あがきをしながらレースは進んでいく。コースサイドにはたくさんの観客。「Go! Big Wheel」や「Go 29er!」「がんばれー」と、たくさんの声援が耳に入る。
残り2周、早くも脚が攣(つ)りそうになってきた。なんとか攣るギリギリのラインで走るも、下りで両足が攣ってしまう。それでもなんとか残りを消化し、ゴールラインをくぐった。
初めてのワールドカップは得るものが大きかった。ふだんのワールドカップに比べて参加人数が少なかったことも幸いし、間近でトップライダーと走ることができた。そして、そのなかで学んだことが今後大きな一歩に繋がる信じている。
