数年ぶりにゲイリーがロードバイクを作るとしたら、その名前はCronusであることは想像がつく。なぜならCronusは何でも自分の思いどおりにしてしまう神だからだ。同じことがケリーベネフィットストラテジーズチームにも言える。おそらく、新しいロードバイクに初めて乗るチームとして、ゲイリーが彼らを選んだのはこの理由からかもしれない。その結果どうなったのか? 速かった。結局Cronusは勝つために生まれたのだ。開発当初の頃を考えてみると、私たちはハンドリング性が抜群のロードバイクを作ろうとしていた。クリテリウムレースに勝つために必要なハンドリング性を備えながら、センチュリーライドで乗っても快適性を失わないバイクだ。ハンドリング性も快適性も、どちらも妥協は許さない。この目標を達成するには従来の考え方では到底無理であった。しかし彼ら開発チームの斬新な発想からまったく新しいフロントエンドシステムを考え出し、これにフィッシャーコントロールコラムという名前を付けたのだ。その考えにこだわり続けてついにロケットが完成した。そして、そのロケットにCronusという名前を付けた。私たちは微笑んだ。もちろんゲイリーも微笑んだ。
Cronusに乗ってみれば、みんな微笑むに違いない。